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62日目

 まるで天地の境がなくなったようだった。

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60日目

 どうしようどうしよう
 だって、
 だって死ぬなんて思わなかった、

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58日目

 それにしてもおかしな話。
 え?
 だってさ、ほら。
 僕がここに、こうしていることがだよ。
 ここに折り目正しく両足で立って、どこか架空の場所にやわく想定されたきみと、お喋りをしているってことが。
 きみは僕の声を聞かないだろう。
 だって僕は話してなんかいないんだから。
 これは独白でさえない、ただ僕はこうして僕のことを喋ることになっているし、言葉はぼんやりと続いていく。それを止める方法はどこにもない。
 《 》が、多分そうするってことを決めているんだろうね。
 ――でも、そんなのは些細なこと。
 問題は、僕という何かがここにこういして呼び出されているということなんだ。
 一体ミーナはどうしてしまったのだろう? 彼として定められた個体は、一体どこへ行ってしまったのだろうね。
 いまやミーナは姿を失い、ここには僕の姿がある。
 ミーナというのはね、本来、この場に立つはずの男のことだよ。
 きみはもう、こんな取るに足らない男の名前は忘れてしまったかな。
 ここで彼がどう名乗っていたか、なんて僕は知らない。僕はずっとミーナと呼んでいたし、これからも呼ぶだろう。これからというのは、つまり、この島にこうしている間のこと――それが、果たしていつまで続くものかは分からない。
 こうしている僕にも、生憎ながら分からないこと、理解できないことはたくさんある。知りようもない事柄も。例えば、僕がどうしてここにいるか、ってこととか。
 ミーナはどうして僕を選んだのだろう?
 僕らは大昔、短いながら同じ場所に住んでいて、同じものを食べて、同じように眠ったけれど、彼がそうした時間に愛着を感じていたとは思えない。
 だって、彼ってそういうキャラクターじゃないでしょ。
 ……それとも、僕がそう決め付けているだけなのかな。
 彼はもっと孤独で寂しい人で、僕らと一緒にいた時間を、胸のうちでわりあい大事にしてくれているのかも知れない。
 だけど僕が思うに、彼が大好きだった人は、きっとほかに何人もいる。あの集まりのなかでさえ。僕なんかぱっとしない方だった。僕のことなんか、ミーナはとっくに忘れていると思ったのに。
 例えば、《蛇》のことがある。
 多分ミーナは、《蛇》のことをずいぶん気に入っていたんじゃないかな。
 あの人に対する、太陽みたいな、何か憧れのようなものは、僕にだってあったもの。
 僕やミーナだけじゃない。
 僕らは《蛇》が大好きだった。
 結局のところ、僕らは《蛇》のいうことを聞くことにしたわけだしね。
 それが良いことだったのか、悪いことだったのか、僕にはいまだに分からない。
 ここにいるのが、僕でなく《蛇》だって良かったはずだよ。
 ほかにもエリトレアとかマルシャルとか、思い当たる顔はいくつもあるのに。
 それとも、何か僕でないといけないところがあるのか知ら?
 彼らと僕の違いってなんだろう?

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53日目

 昔の話。

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51日目

後にはただ雷鳴のような残響が漂うばかり